断水

10/31日、連日の大雨と台風の被害で、大樹町の水道のメインのパイプが流され水道が出なくなった。この台風で流された橋に車が落ち、一名が亡くなるという被害も出た。暦船川も橋まで届くんじゃないかというくらい増水した。まさかの災害である。この日、午前中はまだ水道が出ていたので、万が一断水ということになると困るとホームセンターに行ってみたが、水タンクはすでに売り切れ。この時すでに町内の断水ははじまっていたらしい。しかたがないので、水をためる用に漬物樽の大きめのものを用意した。….だが、家に着いたらすでに水は出なかった。風呂桶には水が溜めてあったのでトイレはそれで流した。汲み取り式の家も多いので、トイレはそんなに話題にはならなかったが。

復旧はいつになるかわからないらしい。学校も施設もみんな休みになった。(私の職場は他のほうから水を引いていたらしく、トイレ以外は普通に出ていたので、仕事は普通にあった)dansui02
1~2日くらいで、地域によっては水は出るようになったらしいが、我が家は実に5日に渡って完全断水。東京で、東日本大震災のときにいろいろ防災について考えていたが、これほど長期の断水は初めての体験だった。幸い、公衆浴場のあたりは、早く復旧したので、風呂には無事に入れた。温泉も無料開放になったので、そちらを利用した人も多かった。飲料水は役場に行って、給水車で朝夕もらってきた。

 

災害時のテレビニュースなどでおなじみの自衛隊の給水車をまさか利用するとは思わなかった。

dansui03役場もてんてこ舞いだったに違いない。
この給水袋は、紐を通すとバックパックになって運べるようになっていた。

この袋も無くなって、釧路市の袋に変わったりだったが、水タンクがない家には大変助かった。あとで考えたら、これは6L、タンクに満タンに入れたら重くて大変だっただろうと思う。何かに用意して、水タンクは使ったほうがいいというのを学んだ。

 

おにぎりやホットプレートで焼きそば作ったり、もう4日目くらいになったら、勢いで、買ってあった水牛モッツァレラチーズでビザを焼いてみたりした。5日目に我が家は水が出るようになったが、完全復旧まで6日。長い断水でありました。

この台風で、北海道、特に十勝は大被害。台風が来ることさえ珍しいというのに連発での上陸。全く今年は天気が悪い。

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夏 虫

こっちに来て、二回目の夏。今年の十勝はほんとに雨が多く今日も台風の影響か雨だ。爽やかな北海道の夏!!!っていうのが今年はさっぱりである。湿度対策はいつもいらないのはずで、エアコンなしなのでドライをつけて…なんてのはない。

湿っていると虫が出る。さすがにゴミブリはいないけど、しょうじょうばえや丸々太ったハエは出る。コバエは、東京のように麺つゆトラップがよく効いて捕獲に成功した。ペットボトルの下部分を切って、麺つゆと水と食器洗い用洗剤をブレンドしておくとそこにコバエが落ちる。

問題は、蚊である。東京の夏は、何も対策をしないと嫌っていうほど蚊に刺されることになるので、蚊取り器は必需品だった。こっちは、それほどでもなく、まあ、森の中とか草が多いところでは注意しても、家ではあまり気にならなかったのだが、今年は蚊がいる。寝ていて手の甲やとくにかゆいところを狙っているかのようにやたら刺されている。蚊の種類も違うのか刺されるとものすごくかゆい。夜中に起きるくらい痒い!!!!!痒みがぶり返すので昼間もかゆい。

こっちの蚊にまだ対抗できないのかもしれない。

大きな蜘蛛が巣を張っているが、罠には、なかなかかからないようだ。こっちの蜘蛛の糸は粘りが強く自分に絡まるとべったりする。庭の石の下には地蜘蛛の卵膜(コギリの膜でおなじみ)も見られる。蜘蛛は嫌いじゃないので巣を観察したりするが、車のサイドミラーから灯油タンクにつなげていつも糸を張るのはやめて欲しい。

蚊取り器をさがしにホームセンターへ行ったら、どれも売り切れていた。そこが都市と違うところで、売り切れればしばらくものは入ってこない。あちこちにドラッグストアがあるわけじゃないのでそういうときは困る。入荷を待っているよりAmazonの方が早かったりする。何かみんなが必要なものは、こういうふうに品切れを起こす。でも、今日欲しいのだ。しかたなく携帯用野外蚊取り器を買ってきた。(今晩は蚊に起こされることもないだろう)

アブなんかもけっこう人によってきて刺す。アブに刺されたら毒を吸い出すツールもけっこう必要かも。(ストローで吸い出すといいよと地元の人に教えてもらった)対策を聞く前に刺されたが、ぎゅっと絞り出したが刺されたところは一週間くらい痛痒く困った。

まあ、こんなことも慣れればなんとかなるもんである。

暦舟川 清流まつり

毎年8月の一週目の日曜(…だと思う)に暦舟川の河川敷で行われる町のまつり。
大樹町の祭りだ。会場には地産の食べ物屋が並び、(焼きガニなんかもあるよ)特設ステージでは、いろいろな出し物がある。今年の目玉は妖怪ウオッチのジバニャンショーだった。ちょっと小金井公園の月見祭りをおもわせるのどかな雰囲気のまつりだ。大樹町のマスコットゆるキャラ「コスピー」が遠くに見える。

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昨年に続き、今年もチャンシーと出演した。昨年はこちらに来たばかりで、パンロゴクラブもまだ始まったばかりだったが、今年はメンバーも増え、パンロゴドラムのアンサンブルを短時間ながら披露できた。前日に衣装を作ったり、けっこう張り切って臨んだがうまくいってほんとよかった。出演してくれた皆さんも楽しかったようで、これからは、もっとレベルアップしていきたいと思っている。出演していたので写真は枝豆を食っている私なんだが….。(この時はまだ焼きタラバとノンアルコールビールだった。あとで絶対一杯飲もう)

さて、出演は昼間。夕方からはペルプネ火祭りと言って、大木を燃やし、倒れた方角で豊作、豊漁を占うという一大イベントがある。これが、ほんとに大木で、燃やすとド迫力である。河川敷が広いのでスケールがデカイ。観客のサイズと比べてこの木の大きさがわかるだろうか。火の粉も激しく飛び、木の爆ぜる音がダイナミックだ。昨年は全く初めてだったのでかなり感動した。…今年は最後に行われる花火大会まで時間があったので、一度車に積んだ楽器を置いて歩いて出直したので着いたら倒れた後だったので残念だった。(だが生ビールは予定どおり一杯飲んだ)ちなみに今年は豊漁のほうに倒れたらしい。そのあと花火大会があり、これまたごくごく近くで見られる。花火の合間には星もかなり綺麗に見える。車を置いてきたので生ビールとツブ貝のおつまみで花火満喫だ。

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自家製チーズ

2015年は、チャンシーが、前出の蕎麦屋一秀さんが行っているチーズ作りのワークショップに参加して一個作ってきた。わたしは仕事が休めず行けなかったので、今年こそは参加しようと思っていたが、あいにくの満員。残念がっていたら、良いタイミングでその時に作ったという作りたてのものを一つ譲っていただけた。「その代わり、自分で育てろよ。」というわけだ。で、今育てている。毎日塩水で磨いて天地返しをする。保存は冷蔵庫の野菜室だ。IMG_3909

きっと毎年味が違うに違いない。熟成が楽しみである。大樹町産牛乳100%のチーズだ。町には保存食の加工ができる施設があり、町民は味噌作りやジャムなどの加工に使っている。加工所で加工して販売している方も多い。チーズを作れる道具も揃っている。ほかにも、麹を作るものや味噌すり器など、加工施設もあるし、パンロゴクラブで利用している生涯学習センターの調理室にも加工道具がそろっているらしい。チーズ作りがこういうふうにできるなんて、都会では考えられないこと。生乳を温めて酢を加えて固めた牛乳豆腐も酪農家さんにおねだりしていただいたり。しぼりたて牛乳を売っている牧場も近いし、普通に売っている牛乳も美味しいので、土鍋で牛乳豆腐をつくって、くみ豆腐のようにすくって食べ、残りのホエーで鍋にしたりして冬場には楽しんだ。東京では生活クラブや生協の牛乳を買っていて、こだわってはいたものの、地元の牛乳にはとうていかなわない。さすがに町民より牛の数の方が多いと言われる大樹町だ。(褒めてるんですよ。)

ソフトクリームもびっくりするほど美味いのがあって、少しづつ開拓中だ。

以下は昨年の話。

11872311_901732769900318_7081118558601759109_oチャンシーは克明にメモを取り残してある。場所を借りて材料を揃えれば、できるかもしれないが、数人で集まらないと大鍋なので量が多い。一個二個というわけにはいかないのだ。ワークショップの合間にはチーズ料理を食べたり、出来立てのフレッシュタイプのチーズを味わったりで、それはそれは羨ましいワークショップだったようだ。

 

 

これが2015年作の自家製チーズ。

すでに食べてしまったが、写真があった。うまかったなあ〜!

わりと早めに食べ始めたが、完熟すると真っ黄色のゴーダチーズになる。今年のはぜひとも完熟を目指したい。作ってないけど自分が育てているチーズだもの。

 

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蕎麦の会、海の会、そして牛を見る

引越しの話の合間に現在のはなし。

楽しみにしていた「海の会」が今月あった。

春には山菜三昧の「山菜蕎麦の会」と言うのもあって、こちらへ来てすぐに山菜の会に参加したら、海の会もあると聞き、そちらにも呼んでもらっている。昨年に続き二度目の参加だ。蕎麦のほうは、自家製そば粉を使った、手打ち蕎麦がメイン。これに山菜料理が山ほどあって、まさに山の幸。これは春の楽しみだ。わかる人が山に入って採ってきた山菜は、不慣れな自分たちが採ったものとは比べ物にならない。(それでも、わらび、こごみなどは自分で採りに行く)そこに、海の会の漁師さんたちからの魚介が加わり贅沢極まりない宴会になる。そして、漁師さんたちは海の男。そうくればパンロゴが嫌いなわけがない。で、楽器持参で参加するのだ。

海の会は夏。7月の始め頃だが、決まっているわけではないので、仕事の都合で参加できなかったらどうしようとちょっと心配していたが、ちょうどいい日にちに決まってやや遅めの参加になったが今年も味わうことができた。今年のメインは、毛ガニ!! そして時知らずと呼ばれる短期間だけ獲れる鮭。会場は、漁師Mさんが自ら建てたというログハウス宴会場だ。来たよ〜というと入り口に、なんと衣装ケースいっぱいに毛ガニが….。一匹づつもらって中へ。今年は、焼き牡蠣、ウニもあって、とにかく贅沢三昧。会場が広尾町なので、運転手の私は残念ながら酒は飲めず。だが、一年分の魚介類を味わったというくらい盛りだくさんな宴会である。
今年もパンロゴで盛り上がった。ほぼ一年パンロゴクラブに参加していた代表メンバーと一緒に賑やかに演奏した。パンロゴクラブの経緯もそのうち書くが、みんな上手くなった。

宴会終了するも数匹残った毛ガニをお土産にもらって次の日もまたカニ三昧だ。

実は東京で一人暮らしを始めた娘がこちらに来るというのでこの日に合わせて一緒に参加した。一週間前に海の会の日程が決まったのだが、ちょうどよくお盆前で飛行機代もほどほどで、いいタイミングだった。ちょうど雪印工場の開放デーもありチーズの見学やお買い得品もゲットしてきた。まったくいいタイミングで来たもんである。娘は大の魚介好き、蕎麦好きとあって、海の会で、大樹町名物の蕎麦屋「一秀」さんに呼ばれ、次の日は、蕎麦屋「一秀」さんで蕎麦も堪能した。居る間に知人の酪農家Yさんで子牛も見せてもらい、うまい牛乳もいただいた。

娘をダシに昨年以上にいいものを食べさせてもらった。この二つの会は、面白い人がたくさん参加するので知り合えるのも楽しみだ。パワフルで行動派の酪農家のYさんもそのうちメインで登場すると思うが、ちょっとした集まりが縁で知り合い今に至っている。去年と今年。最初の年からいろんな人と知り合えたので、大樹町ライフはとても充実している。

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新生活

6月、こちらは運動会やほかの行事がいろいろ本格的に始まる時期だ。3月で農水省の研修生期間も終わり、4月から我が家の生活はまた変わった。

三月中に仕事を決めて、休日は3日間だけだったが、いよいよ本格的に大樹町ライフが始まった。就職したのは、町にある大きな工場である。朝早い日が月に数日あるのが多少大変といえば大変だが、これもそのうち慣れるだろう。数日おきに休みもあるし、昼間の時間がけっこうあるので、働きやすいかもしれない。まあ、いろんなことをやって収入を得るというのもアリだが、決まった仕事があるほうが、今の世の中いろいろ便利な面もある。入って2ヶ月、なんとかこなせるようになってきた。早朝の日高山脈もとても綺麗で、そんな風景の中通勤するのはなかなかいいもんだ。覚えることは多いけど慣れていけばいい。こういう仕事のいいところは、時間になるときっちり終わり、オンオフがはっきりしているところだろう。仕事を探しているときにも、なにかと運の良いこと(または出会い)があり、すんなりと今の場所に落ち着いた。チャンシーも同じだ。これもまた神意なのだろうと思う。

環境が変わったが、それほど間をおかず、4月中旬からパンロゴクラブも再開した。だんだん生活リズムが出来てきて、いよいよ春だな〜と思っていたら、ゴールデンウイークの初日というのに雪が降った。でも、1度目の冬を越したのだ。少しぐらいの雪ではなんともない。….と思う。パンロゴクラブは、大樹町芸術協会というのにも入って、町公認サークル(?)になった。一年くらいで、かなりの上達を見せたメンバーもいて頼もしい。

はじめは自転車通勤だったが、そんなに遠くない道内の人から車を買った。しかも、以前にぼんやり「あの車にいつか乗れるといいなあ〜。」と思っていた車が手に入った。古い車だが調子は良好だ。
去年畑までチャンシーは自転車で通ったが、これで動ける範囲も広がったわけだ。

去年は、周りの景色もあまり見えていなかったのかと思う。今年の春は発見が多い。少しづつ、そのままになっていた部屋の整備などもはじめたところだ。

わたしたち、北海道 十勝にいます。

昨年2015年4月、生まれも育ちも東京なわたし(すらいみー)と夫チャンシー(アフリカ木琴奏者)は、長年住んでいた東京小金井市から、北海道広尾郡大樹町にひっこしてきた。大樹町というのは、地図でいうと北海道の右下、十勝にある。東京で探したが、帯広から下の方は、なかなか観光マップや観光紹介ムック本などにも載っていない。酪農、農業、漁業などの産業がメインで、風景はヨーロッパのようで、ひろ〜い牧草地が続き、どこまでも広い、絵に描いたような北海道のイメージそのままのとてもいいところだ。最近あのホリエモンが住民票を移して少し話題になった人口6000人弱のだけどとても広い町だ。キャッチフレーズは「宇宙の町」。
多目的航空公園にはJAXAの実験場があったり、飛行船格納庫があったりする。

歴舟川という清流が町の中心部を流れ、山も川も海も近い。ほんとに十勝の食物自給率はダントツなんだな〜ということが感じられる、のどかな町だ。
この歴舟川という川は、なんと砂金が取れる。ちょっと上流の方に行って砂金取りや川がきれいなのでヤマメ、ヤマベ釣りの人たちも訪れるらしい。
自分の感覚的には引越し…なんだけど、移住者の仲間入りということになった。わたしたちが体験したことをブログに書いてみたら面白いんじゃないかという勧めもあって、このサイトを立ち上げた。引っ越してきて一年、どうでもいいことばかりかもしれないが、役に立つことも多少はあればいいかなと思っている。

写真は、うちの車サンバー、これで苫小牧までフェリーで来て大樹町入りした、たのもしい仲間だ。いまの状況、引越しのことなどおり混ぜて綴っていこうと思いますので、どうぞよろしく。

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